すべてがそこにはあった
「青春時代は戻らない」
もう名前も忘れてしまったけど、小学生の頃家の近所に住んでた遊戯王友達のおじさんがよく言ってた
中学に上がって勉強も部活も忙しくなって会わなくなったけど
今思うとよく年齢不詳職業不詳のおじさんと遊んでたな
彼は遊戯王以外に音楽や映画が好きで、たくさんのことを教えてくれた
その中で一番記憶に残ってるのが原作スティーヴン・キング、監督ロブ・ライナーの『スタンド・バイ・ミー』
誰もが一度は見たことがあるであろう名作
僕も今でも定期的に見る映画で自信を持って一番好きと言える
木の上の秘密基地
パイ食いコンテスト
ヒル沼
食後のタバコ
ゴーディの涙
好きなシーンを挙げたらキリがないくらいだ
笑えて泣けて、あの日の自分を思い出す
きっとじいちゃんになっても見続けるんだろうな
吐き気がするくらいキラキラした中学生活、今思うと笑っちゃうくらい泥沼な高校生活
形は違えど、誰しも平等に青春時代はあり、共通して持っているものだから、この映画に共感せずにはいられない。色褪せない。
この映画はひたすらに等身大なのだと思う。
28歳の僕は今が一番楽しいと心から言えるけど
もう戻れないあの頃をたまに思い出してしまう
ウイイレの勝ち負けで喧嘩して絶交したままのあいつは元気かなとか、ライブハウスの隣の今はもう閉店してしまったチープなお好み焼き屋の豚玉が食べたいなとか、初恋のあの娘からもらったMD、魔法のiらんどとか
年を取り経験を重ねるごとに思い出は美しくなる
そんな夜は『スタンド・バイ・ミー』を見て過ぎた日々に会いにいく