飛び出せハイウェイ
ハイウェイ/くるり
僕がこの曲を知ったのは高校二年生16歳の頃
家から自転車で10分くらいのところにゲオがあってそこで中古のくるりベスト盤『TOWER OF MUSIC LOVER 』を見つけてちょうどお小遣いもらったばかりでくるりって名前も知ってたから何となく買った
今でも覚えてる
ほぼほぼ帰宅部でバンドもそれなりにしかやってなかった僕には、学校帰りや週末の休みに市内の自転車で行ける距離の中古CD屋を巡るくらいしか楽しみがなかった
あとは、友達ん家に仲良い男4人で集まってウイイレをするくらい
今ほど手軽にSNSやYouTubeで音楽を知ることはできなかったし
ガラケーだったしパソコンも持ってなかったし
話が逸れたけど、このベスト盤は、2006年に結成10周年を迎えたくるりが10年間を振り返る意味で発売した区切りの二枚組のベストアルバムで、代表曲「東京」「ばらの花」「ロックンロール」「HOW TO GO」などを中心に、最強ダンスロック「ワールドエンド・スーパーノヴァ」、京急線沿い住みの方「赤い電車」、聴く文学「家出娘」などなど
くるりをあまり聴いたことがない人にも安心して貸せるTHEベストアルバムになる
その中でも高2の僕の心に残ったのがこの「ハイウェイ」って曲
「僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって
ひとつめはここじゃどうも息も詰まりそうになった
ふたつめは今宵の月が僕を誘っていること
みっつめは車の免許取ってもいいかななんて思っていること」
抑えめなドラムカウントから流れるようなギターのイントロが流れ曲が始まる
基本的に単調なリズムとメロディ
特に曲が盛り上がる部分がある訳でもない
と高校2年の僕は思った
歌詞だって「僕が旅に出る理由はだいたい百個くらいあって」
とか言いながら歌詞で出てくる理由はこの三つだけだし最後には「僕には旅に出る理由なんて何ひとつない」なんて言っちゃってる
それならば、一体この曲の何が16歳の僕に響いたのか
単純だけどきっとこの部分なんだと思う
「俺は車にウーハーを(飛び出せハイウェイ)
つけて遠くフューチャー鳴らす(久しぶりだぜ)
何かでっかい事してやろう
きっとでっかい事してやろう」
それなりの学校の成績、それなりに出来るスポーツ、それなりのバンド活動、それなりの幸せ
すごく恵まれてることは分かってるのになんだかモヤモヤして、それをどう発散していいかも分からず、夜になると周りに民家がない畦道へギターを背負い自転車で行って、ギターをかき鳴らして歌でもない歌を叫んでた
そんな時にこの歌とこの歌詞に出会って、「あー、大人もこんなことを思ってて思ってても良いんだ」って安心したのかもしれない
27歳
一般的には大人(おっさん)になった今でも僕は未だに何かでかいことをしてやろうなんて思ってる
具体的なこともあれば全然イメージにもなってないものもある
それが楽しみで、不安で、モヤモヤしてあーってなる時がある
そんな時にくるりのハイウェイを聴く
今じゃライブはそこまで行ってないけど、一時期馬鹿みたいにライブ行ってたし、昔のシングル・アルバムをほとんど収集するくらいくるりには、どっぷり浸かってしまった
今年の京都音博は行く、多分
こんなハマってるバンドは、あとはやっぱり銀杏BOYZとフジファブリックくらいなんだよな
そういうバンドがあるって素敵なことだなと思います
あと、この曲が主題歌の『ジョゼと虎と魚たち』(2003年公開/ 主演:妻夫木聡、池脇千鶴)は、人生ベスト10映画に入るくらい好きなので、お時間あれば見てみてください
男と女でというと誤解を招くかもしれないけど、人によって捉え方が違う映画
この映画についてはまた暇な時に気が向いたら勝手に書きます
僕は寝ます
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